回転寿司のお寿司は流れてくる。スーパーのお寿司は冷蔵庫で保存しネタも冷たいがシャリも冷たい。我々は店内では食べたいものを目の前で握ってもらえ、できたてを食べられる。そこに圧倒的な差が生まれます。テイクアウトもそこにこだわり、受け取り時間に合わせて握っています。そこにこそ我々のブランド価値があると思っています。
「あおいとしてのこだわりや想い」に気付いてもらえているのかということを把握するためにも来店用だけでなくテイクアウト専用のアンケートが必要だと思っています。
また、QSC改善アンケートの良さとして感じていることは、都度聞きたいことが変わってきたり、深堀りしたいときに、いつでも自分たちで設問項目を自由に変えることが出来る点です。紙のアンケートや既存のシステムだとそういう訳にはなかなかいきませんので。
―テイクアウトで高い売上をあげる貴店が、常に心掛けていることは何でしょうか。
お客様の“真のニーズ”がどこにあるのか?“真の不満”はどこにあるのか?を日々探り、仮説を立てて改善しPDCAを回し続ける事です。 PDCAというのは回すスピードが重要で、1ヶ月に一回やるのか毎日仮説を構築し展開していくのとでは結果が全然違います。
―高速でPDCAを回していくコツなどはありますか 。
役割分担は意識しています。QSC(Quality・Service・Cleanliness)に関する初期設問の対応や改善活動に関しては現場の店長に任せ、その上位レイヤーにある根幹に関わる重要な部分には私も深く目を入れるようにしています。当店らしい使われ方がされているか、その判断や尺度はフリーコメントからしか感じられないと思っています。お客様の意見から推測して、不満点などを吸い上げ仮説を立てるのは私の役割となります。
その点でお客様の評価が定量的な数値の変化としてリアルタイムに把握できるだけでなく、定性的なコメントも数多く深い内容のものまで日々得られるQSC改善アンケートのシステムにはとても助かっています。
―このコロナ禍、withコロナと言われる時代において、寿司業態だけにとどまらず外食産業はどのような発展の道が残されていると思われますか。
このコロナ禍において最も端的且つ明確に可視化されたことがあります。それは「顧客にどれだけ支持されていたか」「お店のファン、ロイヤルカスタマーをどれだけ獲得できていたか」が緊急事態宣言下や宣言後に明確に出たように感じています。withコロナで勝ち残っていくための鍵は「来店客、テイクアウト客のファン化」に尽きるのではないかと感じています。
それができない企業や店は淘汰され今後業種業態の垣根を超えた企業買収や再編の波に飲み込まれていきます。すごく強い動機でお店に行きたい!いいな!と思ってもらっているところだけが生き残っていく。ありきたりな所は有事においては選ばれない。顧客のニーズや不満を常に把握し仮説を立て改善をし続けているブランドが、ファンを構築していると思います。点数で把握するだけでなく、定性的な意見が拾える形でないとファン構築は厳しい。そういうファンづくりをしている所がどんどん飲食店として強くなっていくと思いますし、今後更に明暗がはっきりとわかれてくると思っています。
―寿司 あおい様の今後の展開についてお聞かせ願えますか 。
当初寿司 あおいのビジネスモデルは店内飲食のみを中心とした住宅地立地型モデルのみでスタートしましたが、今災禍によりテイクアウト需要が増えたことで、期せずして店内飲食と、利益率の高いテイクアウトを兼ね備えたハイブリットモデルができあがりつつあります。今後はさらに両方に注力して、寿司 あおいのブランドを確立していきたいと考えております。
―本日はありがとうございました。
【店舗情報】
株式会社ダイニングイノベーション
寿司 あおい
〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-11-2
http://dining-innovation.com/ja/