開店わずか15分で完売の日も。伝説の老舗鰻店が探し求めた
”柔軟性を兼ね備える順番待ちシステム”
~「川魚 根本」~
EPARKシステムは全国に多店舗展開を行う回転寿司チェーンや焼肉チェーン、餃子チェーン店など多店舗展開のみに適したシステムであると思われがですが、実は導入施設の約半数は5店舗以下の店舗を経営する企業様や個人事業主様にご利用頂いています。
鰻店は行列のできる人気店が各地に点在する一方で、多店舗展開しづらい業態であるとも言われています。行列のできる人気鰻店としては、テレビでも幾度となく放映され既に全国区の知名度もある成田山の駿河屋様や菊屋様などが有名ですが、いずれもEPARKシステムを長年ご利用頂いている加盟店様となります。 今回紹介する埼玉県に店舗を構える「川魚 根本」様も知る人ぞ知る伝説の鰻店として有名です。夏場は特に平日でも混雑の激しい同店ですが、順番待ちシステムをどう有効活用し、混雑緩和や経営に役立てているのでしょうか。 根本社長と奥様にインタビューを差し上げた所、コロナ禍ならではの順番待ちシステムを活用した混雑緩和施策や利用者側の工夫などもお伺いすることができました。
地元埼玉や都内はおろか遠方からも訪れる客が絶えないという知る人ぞ知る人気鰻店「川魚 根本」(埼玉県三郷市戸ヶ崎2951-1)。先代から引き継がれた味をそのままに、その時季に合った旬の鰻を備長炭で1品1品丹念に焼き上げ提供している。 今回は根本社長ご本人と店内の切り盛りをされておられる奥様に順番待ちシステムの導入に至った経緯や背景、EPARKを選ばれた理由などについて直接お話を伺いすることができた。
開店15分で売り切れとなる日も。伝説の鰻店「川魚 根本」のこだわり
取材日の前週、記者は実態を把握すべく平日午前、開店直後の同店に足を運んでみた。 葛飾区水元公園西側にある静かな通りを過ぎ、埼玉県境の三郷に入ったところで急に車の渋滞を確認。しかし、周りには渋滞の原因となるような人気回転寿司店や焼肉店は一切見当たらない。ただ公園と川に囲まれた住宅街があるだけである。 渋滞の先には既に満車状態の駐車場があり、よく見ると「第二駐車場」「根本」の看板。
慎重に辺りを見回すと駐車場の脇に小道が。まさかとは思いつつ川沿いに30秒程下ると、そこにはひときわ存在感を放つ1軒の立派な店舗が。のれんには「川魚 根本」とあった。店の前の駐車場も既に満車となっており、車内には順番を待っているのか人影が。店の玄関前にも同じく順番待ちと思わしき数名の客が間隔を空け並び、更に店内に入るとゆったりと10名程が座れる待合室にも間隔を空けながら子供から年配の方まで幅広い層のお客様が静かに着席し順番を待っていた。
待合室の先には順番待ち発券機が設置されており、店内を覗くと、広い店内にはコロナ禍で席間隔を広く取られたテーブル席と座敷席14席も既に満席となっていた。 開店は11時だが、日によっては開店前に40組以上の待ちが発生することもあり開店後15分も経たずに新規の受付を停止しなければならない事もあるという。
待合室に戻り順番待ちシステムに電話番号を入力し発券すると42番。開店から1時間にも満たない11時半頃で既に40番台を超えていた。 これは本物の人気店である。しかし、混み合う状況とは裏腹に何故かお客様同士や従業員とのトラブルなどはなく、ご自分なりのペースと場所でゆったりと静かに順番を待っていたのが印象的であった。
翌週の月曜定休日、取材冒頭で記者は根本社長に安易な質問をぶつけてしまう。
「これだけの行列が毎日続くのであればチェーン店化を考えても良いのではないか?」
根本社長の柔和な表情から一変、真剣な表情に変わりこう即答された。
「今は店舗を増やすという考えは一切ありません。」
鰻という素材の特性上、その日の温度や湿度によって、入荷する鰻も違うこともあれば、焼き手の技術やタレに至るまで味が微妙に変化するとても繊細な料理。他店では本店と支店で味や品質が変わってしまうことも往々にしてあり、それによって評判が落ち、店を潰してしまうこともある難しい業態なのだという。
今は店舗を増やすよりも、足を運んでくれる目の前のお客様を大切にし、いつ来ても変わらぬ味と品質で満足して頂くことを最優先に考えていきたいという根本社長であった
順番待ちシステム導入の背景には紙による順番管理の課題とお客様第一主義
EPARK順番待ちシステムの導入前はウェイティングボードを店頭に設置し紙による順番管理をしていた。
しかし当初から紙の順番管理では様々なトラブルや問題が発生していたという。
お客様が紙に記入した漢字の読み仮名が実際とは違うことで間違えてお呼びしてしまったり、達筆すぎて文字の判別が従業員では困難であったりと運用面で問題が山積していた。
更に受付を希望する人数が予想以上に多い日は紙が途中で切れ、途中から受付ができなくなってしまったり、お客様に自由に書き換えられてしまったりと、お客様同士でのトラブルが発生することも多々あった。
何よりも足を運んでくれているお客様に負担や迷惑をかけしてしまっていた事態を1日でも早く解消したかった。
順番待ちシステムを導入したことで紙切れは勿論、番号での呼び出しに変えることで呼び間違いやその他の課題も解消され、お客様のトラブルは激減。それによるスタッフの心的負担が減ったことが何よりも大きかったという。
導入の決め手は利用者目線を最優先した機器開発とカスタマイズ提案
当初は整理券を発券するだけの銀行に設置してあるような簡易なシステムを探していたという。
しかし、比較検討していく過程において順番待ちシステムには付随する機能がいろいろとあることを知り、結果的にお客様やスタッフの負担軽減を考慮し「発券と呼び出しが可能なシステム」の中から最終検討を行うこととなった。
ただ、発券と呼び出しのできるシステムは国内にも複数あるが、EPARKを選定した理由は何だったのか。
根本社長は主に3つの差別化要因を挙げてくれた。
① 視認性
表示画面の色合いと文字の大きさが他の機器と比べて、年配の方にも見やすい最適なバランスであり、ボタンではなく画面タッチで簡単に操作ができる点
② 柔軟性
発券や呼び出しのタイミングを自動と手動で店の状況やタイミングによって瞬時且つ柔軟に切り替え可能な(半自動半手動で運用可能な)システムであった点
③ 情報量とサポート品質
初回案内時からその違いを感じたという根本社長。用途だけでなく、店内や周辺環境、ネット回線含め設置に関わる細かい周辺情報の聞き取りから、それに合わせたオプション機能を盛り込んだ初期、ランニング費用について、店に合った最適な提案をしてくれたことに安心できたという根本社長。チェーン店ではない個人店にそこまでカスタマイズした提案ができるとは正直思っていなかったという。
特に柔軟性の確保においては現場視点に立った開発や提案を優先しない限り不可能であり、効率やコスト面だけを考えれば自動化のみ、業態関わらず一辺倒な提案となりがちである。
根本社長は半自動可能による運用時のメリットも同時に挙げてくれた。 同店は11時開店だが、8時半前から発券をしに来られるお客様もいる。そんな時、自動だけであれば事前に設定した待ち組数になった時点で開店前であっても呼び出しがかかってしまう。開店前は手動に切り替えておき、開店後に自動呼び出しに戻す、更に店内の状況によっては再度手動に切替えるなど1日の中でも店内環境やスタッフの稼働状況に応じた柔軟な運用がEPARKシステムでは実現できるのだという。
特にコロナ禍のような、マニュアル化や事前に設定しづらい状況の変化に即応していかなければならない環境下においては、そういったシステムの柔軟性確保は機器選定においては外せない要素なのだという。
電話呼び出し機能をフル活用し顧客満足と従業員の負担を同時解決
EPARKを導入して間もない同店であるが、電話呼び出し機能は既に多くのお客様が自発的に利用し、店側としても大変助かっているという。
常時数十組以上の待ちとなれば、待合室で待機できるお客様の人数も限られる。車内で待ったり、ご近所の方などは自宅の電話番号を呼び出しの番号に入力し発券した後に一度ご自宅に戻り、呼び出しの電話が鳴ったら再度ゆっくりと来られるなど電話呼び出し機能を有効活用しながらストレスなく順番を待つ工夫が見られている。
最近ではコロナを心配してか待合室が空いていたとしても敢えて駐車場や店外で待機する選択をされるお客様も増えているようである。
同店は川沿いの細い道路に面しており店の前の駐車場には数台しか駐車できない。よって、殆どのお客様が少し離れた第二駐車場内で待つことになるという。EPARKシステム導入前は従業員が都度第二駐車場で待っているお客様を探しに行き、雨の日などは大変であった。どの車にどのお客様が待機しているかもわからないことから呼び出しに行くのも一苦労であり従業員の大きな負担にもなっていた。
お客様自身のモバイル端末で順番の状況確認ができることでお客様が何度も自分の順番を確認しに店の前を往復する負担が減っただけでなく、店舗側の呼び出しの負担や時間が解消された点は店舗経営においても非常に大きな導入効果であった。
今後は更に同システムでできることを増やしていきながら販促機能やCRM機能、来店回数表示機能などリピーターの増加や常連客への接客品質向上に活かせる施策なども試していきながら「品質ともてなしの心」を大切にしたサービスの提供を心がけていきたいと語ってくれた。
取材協力
川魚 根本
〒341-0044 埼玉県三郷市戸ヶ崎2951-1
https://www.kawauonemoto.jp/